理論上、未来へのタイムトラベルは有名な「ウラシマ効果」のように、可能だと考えられています。
では、過去へのタイムトラベルは出来るのでしょうか。
理論上は出来る可能性があると言いまずが、とても難関な旅だと言えます。
2つのブラックホールでつくるタイムマシン
過去へのタイムトラベルは、カルフォルニア工科大学のキップ・ソーン博士らのグループによって考えられています。
それは、ワームホールを使ったタイムトラベルです。
ワームホールとは、ブラックホールを2つつなげたような時空の事をいいます。
2つのブラックホールをつなげる為には、ワームホールをつくり出さないといけません。
タイムトラベルをする際に、事象の地平線の中に入ってしまうと二度と外には出れなくなる為、ワームホールをつくるときには、事象の地平線があらわれないようにくっつけてやる必要があります。
もしも、このやり方が可能であるならば、過去へのタイムマシンをつくる事が出来るというのです。
下記に、ワームホールを使って過去にタイムトラベルする方法を述べています。
①ブラックホールを二つつなげて、ワームホールをつくります。2つのブラックホールは同じ時刻で繋がっています。
②A地点のブラックホールの入り口をその場に止めておいて、B地点にあるワームホールの入り口を光速近くの速さでCまで運動させてから、元のB地点まで戻します。
③アインシュタインの相対性理論によれば、光速やそれに近い速さで運動する物体の時間は遅れます。つまり、静止していたA地点の時刻に比べ、運動していたB地点の時刻は遅れてしまいます。
④B地点の入口を往復させ終わった時の時刻をPM19:00だとします。しかし、相対性理論により、B地点の時刻は遅れる為まだPM1:00です。
A地点の入り口にいた人が宇宙船に乗り、PM19:00に出発し、1時間かけてB地点に着き、B地点のワームホールの入り口に入ったとします。
⑤B地点のワームホールの入り口に入った時刻は、 この人にとってはPM20:00ですが、実際のB地点の時刻は、PM1:00から1時間経過したPM2:00であります。
2つのワームホールの入り口は同じ時刻で繋がっている為、B地点の入り口に入った人はA地点の入り口からPM2:00に飛び出してきます。
PM19:00に出発したはずが、過去にさかのぼってPM2:00に同じ場所に戻ってきたことになるのです。