私たちが普段何気に見ている色は、なぜそんな色に見えるのだろうか。
光には色が含まれていますが、では、「黒」に見える色とはどんな色なのでしょうか。
「黒」色の種類は2つある
物体に光が当たった時、その向こう側には影が出来ます。
その影は「黒」です。
また、絵の具の色々な色を混ぜていくと、「黒」色が出来上がります。
言い換えると、黒という色には、光が当たらない時の黒い色と、色を混ぜた時の黒い色の2つがあるという事です。
これは、「光の3原色」と「色の3原色」に関わりがあります。
あらゆる色は光の3原色から合成できる
太陽の光には、色々な色が含まれますが、人の目のセンサーは、赤、緑、青の3色しかありません。
よって、人は、この3色のセンサーであらゆる色を識別しています。
例えば、赤と緑の光を同時に感じると黄色に、赤、緑、青の3色がそろうと白に、そしてどんな色も感じないと黒に識別します。
このように、「光の3原色」を元に私たちは色を区別しているのです。
では、色ガラスの向こうから白い光を照らしたとします。
もしもガラスが青く見えたら、そのガラスは青の光のみを通したという事になります。
赤と緑の光は、ガラスに吸収されてしまったというわけです。
物体の色は反射する光の色で決まる
赤、青、黄の色があれば、どんな色でも作れます。
正しくは、赤ではなく「マゼンタ」、青ではなく「シアン」、それに黄色を加えた3色です。
これが、「色の3原色」です。
カラーで印刷されるもののほとんどが、この3色に黒を加えた4色で刷られています。
マゼンタとシアンを混ぜれば紫、シアンと黄色なら緑というように、この3色でほぼ全ての色が作る事が出来ます。
光の3原色との大きな違いは、光の3原色では光を混ぜるほど白に近づいていきますが、色の3原色では混ぜれば混ぜるほど黒に近づいていくという事です。
色の3原色を絵の具に例えてみますと、絵の具はそれぞれの色で吸収する光の色が決まっており、そしてその絵の具に吸収されずに反射された色が、その絵の具の色として見えているのです。
私たちが見ている黒色
絵の具を混ぜるという事は、吸収する光の色が多くなるという事です。
言い換えると、色を混ぜれば混ぜる程、光を吸収しやすくなるという事なのです。
そして、最終的に光を反射しなくなるまで混ぜると、「黒」の色に見えるのです。
「黒」という色は、私たちの目に光が来ない状態になるという事です。